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2014/10/04

多田誠司・スガダイロー Duo ライブ・レコーディング@スタジオトライブ

2014年10月4日、ツアーから戻ったスガダイローが、スタジオトライブに到着したのは夕刻8時少し前。数時間前から、翌日開催されるライブ・レコーディングに備えて、マイクのセッティングなどを確認していた多田誠司と合流し、スタジオ内の音の響きを確認する。当初のセッティングから、ピアノの位置や立ち位置を変え、互いをより確認しやすいコンディションへと進化させる。

レコーディングスタジオ・トライブとしても、またリーダーの多田誠司にとっても、ライブ・レコーディングは、これが初回となる。 常ならば、ミュージシャンとエンジニアのみによる、どちらかといえば閉鎖された空間での作業であるレコーディング。ライブハウスでのライブ・レコーディングは珍しくないが、今回はスタジオ内に聴衆を入れるという希有な試みである。

ライブ当日に、PC環境や天候など、突発的な事態が起きないとも限らないという前提で、保険としてゲネプロを録音する。何度もライブを重ねてきたDuoのコンビネーションは完璧で、始まるやすぐにスリリングな展開。録音する菊地昭紀氏の「何もいじらず素の音を録る」方針で、スムーズに明日の1ステージ分を録り終える。

ピアノの調律師がレコーディングを覗きに来て、気になる部分を再調整してくれた。それほど激しい演奏である。

翌10月5日、台風が近づく不安な天候の中、遠方からも沢山の聴衆が駆けつけてライブ・レコーディングが始まった。やはり、昨夜とはレベルの違うテンション。熱く、豊かに、最大限まで互いの音を引き出し合う。

休憩を挟んでの息詰まる2時間は瞬く間に過ぎ、興奮冷めやらぬまま、レコーディングスタジオを会場としての懇親会。緊張の解けたアーティストとの打ち解けた交流はまとないお土産となった。

スタジオを使用するライブ・レコーディングは、セッティングなどさまざまな点でメリットが多いことを再確認。広いブースの使い様もこの経験が加わってまたひとつ、新たな可能性を拓いてくれた。またいつか、このスタジオでライブ・レコーディングを実現する日が来ることを願っている。

2014年10月4日ゲネプロ・レコーディング、5日ライブ・レコーディング

 ●作品名: 『We See!!』
 ●演奏:多田誠司(As) スガダイロー(Pf)
 ●録音・ミックス・マスタリング エンジニア:菊地昭紀(Pit inn music)
 ●プロデュース:多田鏡子(ラルゴ音楽企画)
 2014年12月10日 スタジオトライブレコーズよりリリース